取引先の運送会社から聞いた話。
主要取引先が物流コスト削減の為、袋モノのパレットの輸送を中止してすべて手積み手降しに切り替えたそうだ。配達先からのパレット回収がなくなった分、物流コストの削減につながる。そのアオリを喰ったのは運転手で、大型車の袋モノの積降しは過酷である。加えて員数違いや破袋のリスクが新たに運送会社の圧し掛かってくる。作業が過酷になると安全運転にも影響する。馬鹿げた話だが実際にあった話で、その運送会社にとっては主要荷主なので断腸の思いでその変更を受け入れた。
一方でその馬鹿げた物流改革を考案した担当者は役職も上がったそうだ。荷主の人員削減や合理化は待ち時間や作用時間を増加させ、運送会社の拘束時間を増加させるケースは多々ある。走行距離や運んだ量に準じて運賃が決められるケースが多いので、拘束時間が盲点になるケースは多々ある。
社内研修で古賀より宅急便や路線会社の長尺モノ(2m~6m)の扱い状況について説明があった。
最初にホワイトバードに全国の主な宅急便や路線会社を地域別にリストアップ(写真上)して、現時点で長尺モノを扱わない会社を一社ずつ消していった。可能性もふくめ条件付きで扱うことが出来る社名は、貴重なので社名を数文字消して残してたが、総合トラックやメタル便グループを除くとほぼ全滅の状況だ(写真下)。長尺の混載についてこれほど状況がキビシイものであるか、私自身再認識した。多くのお客様が長尺輸送について問い合わせをいただくのも頷ける。この10月から山梨県は積み合せ(混載)便をスタートさせたが、小さな一歩だが貴重な配送網であることは間違いない。
長尺物やパレット物の混載(積み合せ)サービス
山梨便の料金について問い合わせいただきましたが次の通りです。
【 配送日 】毎週水曜日・金曜日着の週二便
【 集 荷 】配送日の前々日の集荷となります。
お持込の場合は、配送日前日の10:00迄荷受可。
【 備 考 】料金表に記載のないエリアは、別途相談下さい。
2014年のネット通販物流費が1.6兆円と言われている。今まで書店で買っていた本は自宅にまで届く様に、新しい物流が生まれた。ネット通販はこれから更に数年で3倍に膨らむと言われている。ヤマト運輸の年商が1.2兆円なので、ヤマト運輸の規模の会社がもう一社生まれても足りない。一方でドライバー不足はこれから正念場を迎える。これから5年で、団塊の世代がどんどん退社していくが、それに見合うドライバーを採用するのは深刻。
路線会社がトラックの荷台を占領するBtoBの長尺物を運ばなくなったのは当然の流れだ。
我々が言うのもおかしいが、一配送網が。全国区の路線会社が扱わなくなった長尺物やパレット物を、リーズナブルな価格で運ぶのは至難の業である。なぜかと言うと、路線会社に匹敵する全国ネットの物流会社がないから。大阪や東京などの首都圏からの発送ならまだ打つ手もあるが、積み地が地方都市だと難度は相当高くなる。総合トラックの扱える配送網では、関東圏にある積み地に限られてしまう。
今年になって、知り合い企業から物流について、多くのお問い合わせを頂いている。私自身が物流業に携わって30年になるが、こんなことは初めてである。その要因を冷静に分析してみると、明らかに最近の路線会社の値上げや、条件変更が起因している。重量物や長尺モノ(長い物)はその代表格である、「今まで扱ってくれたのに」は過去のこととなりつつある。ネット通販はこれから3倍の規模にもなろうかと言われている中、一般企業に対する路線会社の条件変更に後戻りはない。
ただ問題を難しくしているのは、全国規模で路線会社に代わる物流業のインフラが現在は無い、という現状である。物量があり部分的にでも物流網を自社化できるお客様には、少しでもリスクを回避して実現できるよう、その第一歩を提案している。
それにしても宅配便や路線会社の築いてきた配送網やローコストやサービスの質は、大したものだと思う。
このところ新しい積み合せの商品を、置場でよく見かける。新しいご縁は、圧倒的にインターネットで当社のサービスを探して来られたお客様方だ。当社が想定指していなかった色々な商品があり、興味深々、有り難いこと。やはり路線会社で扱えない2メーター以上の長尺物であり、一車丸々のチャーター料金に困られたお客様で、お問い合わせ内容もかなり具体的である。
クロスドッキングをしていると、色々な車輌を構内でみかける。
クレーン下かフォークリフトで積み降しするので、基本的には保護帽(ヘルメット)の着用が必要不可欠である。でも作業中にヘルメットをかぶっていないドライバーも結構いる。ここ半年の観察で、ヘルメットの着用に一定の法則がことに気がついた。
【全くヘルメットを着用しない運転手】
・白ナンバー
自家用なので、お客様意識や、プロドラーバーの意識が薄い。
【必ずヘルメットを着用する運転手】
・営業ナンバー 元請で仕事をしてる運送会社
荷主が安全意識が高く、ドライバーもプロ意識が高く保護帽の着用が習慣化している。
【場に応じてヘルメットを着用したり、しなかったり】
・営業ナンバー 特定の中小荷主に専属で入っている運送会社
仕事が固定化しており、慣れによる怠惰が当たり前になっている
・営業ナンバー 運送会社の下請けの運送会社
その日により仕事が異なるのでお客様意識が低い。ドライバー自身も二流に甘んじている。
野球のプロとアマの差は基本がしっかり実行されているかどうか。まさかのエラーのために捕手が一塁に向かうのも一例。
たかがヘルメット、されどヘルメット。